一般的に使用される壁紙の種類とその特徴
- 2025/4/28
住宅やオフィス、店舗など、あらゆる建物の内装で欠かせない存在が「壁紙」です。
壁紙は単に部屋の雰囲気を演出する装飾材料というだけでなく、機能面でも優れた効果を持つ建材です。現代の住宅では、多種多様な壁紙が使用されており、それぞれの素材や仕上げ方により見た目や機能、価格などが異なります。
本コラムでは、一般的に使用されている壁紙の主な種類と、それぞれの特徴について解説し、空間に合った壁紙選びのヒントをお届けします。
1. ビニールクロス(塩化ビニール樹脂系)
最も広く普及しているのが「ビニールクロス」です。表面が塩化ビニール樹脂でコーティングされており、裏打ち紙と組み合わせて作られています。量産性に優れ、価格も比較的安価であるため、戸建て・マンション・アパート・公共施設と幅広い場所で使用されています。
特徴
- 表面がつるつるしており、水拭きができて手入れが簡単
- 耐久性、防汚性に優れ、長持ちする
- 色柄のバリエーションが非常に豊富で、デザイン性が高い
- 一部には消臭・抗菌・防カビなどの機能付き商品もある
ただし、化学素材のため自然素材にこだわる空間には不向きな場合もあります。また、時間が経つと接着面の劣化による剥がれや、紫外線による色あせが生じることもあります。
2. 紙クロス(紙系壁紙)
紙を主素材とした壁紙は、ナチュラルな質感と温かみのある風合いが魅力です。輸入品には手すき和紙やプリント加工が施された装飾性の高い製品も多く、空間に独特の個性を与えてくれます。
特徴
- 通気性に優れており、湿気がこもりにくい
- 柔らかい質感で落ち着いた印象を演出
- 環境に配慮されたエコ素材が多く、化学物質の放出が少ない
一方で、耐水性に劣り、汚れが付きやすいというデメリットもあります。また、施工時には高度な技術が必要で、一般的なビニールクロスに比べてコストが高くなりがちです。主にリビングや書斎、寝室など、落ち着いた空間で採用されることが多い素材です。
3. 織物クロス(織物系壁紙)
「織物クロス」は、その名の通り布を素材にした壁紙で、レーヨンやポリエステル、麻、綿などの繊維が織り込まれています。高級感があり、ホテルの客室や応接室、洋館風の内装など、格調高い空間に多く使われています。
特徴
- 上質で立体的なテクスチャーと重厚感
- 吸音性があり、防音性能に優れている
- 耐久性があり、長期間使用可能
しかし、繊維でできているためホコリを吸着しやすく、汚れやすいのが難点です。また、水拭きできないタイプが多く、清掃やメンテナンスには注意が必要です。価格も高めですが、その分、空間に与えるインパクトは非常に強く、高級インテリアの仕上げ材として人気があります。
4. 珪藻土壁紙・漆喰調壁紙(機能性壁紙)
自然素材の質感を再現しつつ、施工性や価格面でのハードルを下げた製品に「珪藻土壁紙」や「漆喰調壁紙」があります。これらは表面に特殊加工を施して、天然素材のような見た目や機能性を持たせた壁紙です。
特徴
- 調湿機能があり、結露やカビの発生を抑制
- 消臭効果や抗菌性が期待できる
- ナチュラルで上品な風合いが特徴
本物の珪藻土や漆喰と比べると機能性や耐久性は若干劣るものの、施工が簡単でコストパフォーマンスに優れているため、一般住宅でも導入しやすい素材です。
5. ガラス繊維壁紙(グラスファイバー壁紙)
ガラス繊維を織って作られた「グラスファイバー壁紙」は、欧米では一般的な素材で、塗装下地として使われることが多い壁材です。日本ではまだ普及段階ですが、その高い耐久性や不燃性から、病院や学校、公共施設などでの使用が徐々に広がっています。
特徴
- 非常に丈夫で、ひっかき傷や衝撃に強い
- 防火性・耐薬品性・耐摩耗性に優れる
- 上から塗装することで色変更やリフレッシュが容易
表面がざらついており、施工にはやや手間がかかるものの、長期的に見ればメンテナンスのしやすさや再塗装の自由度の高さから、コストパフォーマンスの高い素材といえます。
6. 木質系壁紙・天然素材壁紙(自然派志向)
木材の突板や竹、コルクなどを用いた「天然素材系の壁紙」は、自然の素材感をそのまま活かした仕上がりが魅力です。高級感と温かみがあり、健康志向・エコ志向の高まりとともに注目されています。
特徴
- 独自の風合いや質感で、空間にナチュラルさを演出
- 環境に優しい素材が多く、化学物質の放出が少ない
- インテリアとしての存在感が大きい
ただし、温度・湿度の影響を受けやすく、反りや割れなどの変形が起こる可能性もあるため、場所や気候条件を考慮して使用する必要があります。価格帯も高めで、主にアクセント使いに適しています。
まとめ:壁紙選びは空間の「質」を左右する
このように、壁紙には素材ごとにそれぞれ異なる特徴があり、価格帯や施工方法、適した空間も多様です。大量に使用される場所には機能性とコストのバランスが取れたビニールクロス、個性や質感を大切にしたい空間には織物クロスや紙クロス、そして快適な空気環境を目指すなら調湿性能を持つ機能性壁紙が適しています。
壁紙は単なる装飾ではなく、暮らしやすさ、安心感、快適さを支える「背景」のような存在です。色や柄だけでなく、素材の特徴を理解したうえで選ぶことで、より豊かで快適な空間づくりが実現できます。インテリアの一部としてだけでなく、住まいの性能を高めるための大切な素材として、壁紙の選択にはじっくりと時間をかける価値があります。
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